📝 ビジネス編
今回はビジネス編・第8回です。
1. 上下関係の基本構造と敬語文化
ベトナムの職場環境では、日本と異なり、年齢や地位に基づく上下関係が明確に定義されていないことが特徴的です。そのため、日本のような敬語文化も存在しません。同僚や上司との会話でも普通の口調で話すことが一般的で、過度な尊敬語や謙遜語は使われません。しかし、それは尊重と敬意が欠如しているわけではありません。他人を尊重する表現は、口調や言葉遣いよりも行動や態度に現れることが多いのがベトナムの職場文化です。

2. 指示の受け方と反論のタイミング
ベトナムの職場では、上司からの指示に対する反論は一般的に受け入れられます。しかしながら、その反論のタイミングと方法が重要です。一方で、日本では敬意を持って反論をする文化がありますが、ベトナムでは直接的な意見を述べることが求められることが多いです。ただし、それは上司に対する敬意を欠く行為ではありません。その際には、自分の意見を具体的かつ論理的に表現し、反論の根拠をしっかりと示すことが必要です。

3. 上司との距離感と接し方
日本の職場では上司と部下の距離感は比較的保たれ、役職が高いほど敬意を表す態度が強くなります。しかし、ベトナムではこれが逆で、上司に対してもフランクに接することができます。それは、ベトナムの上下関係が日本ほど厳密に組織化されていないからです。しかし、そのフレンドリーさは敬意の欠如と混同されがちですが、ベトナム人同士のコミュニケーションスタイルの一部であり、尊敬と敬意の表現方法が異なるだけです。

4. 昇進後の振る舞いと責任意識
ベトナムでは、昇進後の振る舞いにも特徴があります。日本の職場では昇進すると、その立場にふさわしい態度や行動が求められますが、ベトナムでは昇進後も変わらぬ態度を保つことが一般的です。しかし、それは昇進による責任感の欠如を意味するものではなく、自身の立場を認識し、それに見合った責任を果たす意識が強くあります。

5. 上下関係から見える職場の力学
以上のことから、ベトナムの職場文化は日本とは異なり、より直接的でフレンドリーなコミュニケーションが求められます。しかし、これは尊敬や敬意の欠如を意味するものではなく、尊敬や敬意を示す方法が異なるだけです。ベトナムにおいては、言葉よりも行動や態度が重視されます。その意識を理解し、受け入れることが、ベトナムの職場で円滑に働くための第一歩となるでしょう。以上のポイントを理解し、ベトナムの文化と職場環境に適応することが重要となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このベトナム文化理解講座は、ベトナム在住の日本人が知っておいたら良い情報を、ライフ編・ビジネス編・エンタメ編に分けてご紹介しています。
少しでも知識が増えれば幸いです。それでは次回をお楽しみに。
※使用している写真はイメージです。本文とは直接関係ありません。







