【ライフ編 第11回】子育ての価値観と教育方針

📝 ライフ編

今回はライフ編・第11回です。

1. 子育ての基本的な価値観

ベトナムの子育て文化は、日本とは大きく異なる点もあります。「子育て」は、親から子への一方通行の伝達ではなく、社会全体で育てるという考えが根強く、親戚や近隣の人々も積極的に関与します。また、ベトナム人にとって、「家族」は血縁関係だけでなく、地域社会との結びつきをも含意します。そのため、子供たちが親以外の大人との関係性を築きながら成長する場面も多く見られます。日本の教育文化では、個々の自立を重んじる傾向が強いですが、ベトナムでは互いに支え合う共同体意識が強く、これが子育ての価値観にも反映されています。

イメージ:1. 子育ての基本的な価値観
イメージ:1. 子育ての基本的な価値観

2. 教育への期待と進学意識

ベトナムの教育への期待は非常に高く、親は子供に優れた教育を受けさせることを重視します。特に、大学進学は子供の成功への重要なステップとみなされ、これを達成するために親は多大な投資を惜しみません。また、英語教育にも力を入れており、早い段階から子供に英語を学ばせる傾向があります。これは、国際競争力を持つ人材を育てるためであり、ベトナムの進学意識の高さと結びついています。日本の家庭教育では、子供の個性や興味を尊重し、幅広い知識を吸収させることが重視されますが、ベトナムでは競争力を持つための特定のスキル取得がより強調される傾向にあります。

イメージ:2. 教育への期待と進学意識
イメージ:2. 教育への期待と進学意識

3. 親の関与と家庭学習の様子

ベトナムの親は子供の学習に深く関与します。学校の先生と密に連絡を取り、子供の学習進度や課題について話し合います。また、親自身が積極的に子供の学習をサポートし、必要であれば家庭教師を雇うことも珍しくありません。家庭内では、遊びと学習のバランスを保つよりも、学習に重きを置く傾向があります。この点は、日本の文化理解から見ると、遊びを通じた自己発見や創造性の育成が重視される日本の子育てとは対照的であると言えます。

イメージ:3. 親の関与と家庭学習の様子
イメージ:3. 親の関与と家庭学習の様子

4. 学校との関係と先生への態度

ベトナムでは、学校は子供の社会経験の場であり、親の関与も積極的です。学校行事に親が参加するのは当然とされ、親同士の交流も盛んです。また、教師は高い尊敬を受けており、親からの信頼も厚いです。教師は子供の学習だけでなく、生活態度や社会性についても指導します。これは、ベトナムの社会全体が子育てを支えるという価値観を反映しています。日本でも教師は尊敬されますが、教育内容について親からの意見が反映されることが多い一方、ベトナムでは教師の専門性が尊重され、親からの介入が少ない傾向があります。

イメージ:4. 学校との関係と先生への態度
イメージ:4. 学校との関係と先生への態度

5. 子育て文化から見える社会構造

ベトナムの子育て文化は、一見厳格で競争志向が強いように見えますが、これはベトナム社会の経済的な成長と繋がっています。教育を通じて個々の競争力を高め、より良い生活を手に入れることが、ベトナムの家庭教育の目指すところです。また、学校や地域社会との密接な関係性は、ベトナム社会の共同体意識を表しています。これらの文化理解は、ベトナムで子育てをする日本人にとって、ベトナムの教育文化に対する理解を深める手がかりとなるでしょう。

イメージ:5. 子育て文化から見える社会構造
イメージ:5. 子育て文化から見える社会構造

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このベトナム文化理解講座は、ベトナム在住の日本人が知っておいたら良い情報を、ライフ編・ビジネス編・エンタメ編に分けてご紹介しています。
少しでも知識が増えれば幸いです。それでは次回をお楽しみに。
※使用している写真はイメージです。本文とは直接関係ありません。

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